2019年 中国高速鉄道3,927kmの旅 3日目 ~vol.3 世界遺産・兵馬俑へ行く~
午後の観光は兵馬俑
午前の陝西歴史博物館の見学が長引いてしまいましたが、午後はいよいよ兵馬俑(秦始皇帝陵博物院)へ行きます。
秦始皇帝陵は「秦始皇陵及び兵馬俑坑」として1987年に世界遺産登録されており、西安一の観光名所です。
ここに行かなければ「何しに西安まで行ったの?」と言われそうなくらい外せないスポットです。
西安駅からバスに乗る
秦始皇帝陵博物院へは西安駅からバスが出ており、駅南広場の東の方にあるバスターミナルで游5(306)という路線バスに乗車しました。
バスの外観写真を撮り忘れましたが、白色の車体です。
バスの本数は非常に多く、座席が埋まったら出発という感じでした。
バスに乗り込んだのは13:50頃でしたが、5~10分ほどで発車しました。
運賃は7元(約119円)でした。
車内に集金する車掌がいて、他の乗客が現金で払っていたので、私も現金で払いました。
14:55頃、秦始皇帝陵の駐車場に到着しました。
事前の下調べの通り、約1時間の所要時間でした。
バスを降りると早速たくさんの店があり、店の人が声をかけてきましたが、目を合わさないようにして急ぎ足で入口を目指しました。
始皇帝がお出迎え
バス乗り場から秦始皇帝陵の敷地に入ると、始皇帝の彫像( 秦始皇雕像 )が立っていました。
天下統一を果たした皇帝らしく、威厳が感じられます。
奥の建物が入場券売り場です。
人が少なめでほっとしました。
近くまで来ると、微信でQRコードを読み取って入場券を購入できるようなので、やってみます。
結局、今回も身分証の種類を選択する項目が無く、パスポートの番号を入れるとエラーになったため断念しました。
中に入って窓口で入場券を買いました。
入場券は120元(約2,040円)でした。
強気の価格設定ですが、世界遺産だし仕方ないかと思いました。
余談ですが、前の日の地下鉄乗車時に 乘车吗(微信のミニプログラム)での支払いで不備があり、身分証の写真を送った上で運賃(4元)を払うまで微信での決済を止められていました。
それに気づかず、秦始皇帝陵の入場券を購入する時に微信で決済しようしたらエラーになるので、仕方なく現金で払ったところ、イライラした窓口の女性にパスポートと入場券を投げつけられました。
窓口はガラス越しで、ガラスの下の空間で物を渡すので体には当たりませんが、驚くと同時に「怖っ」と思いました。
歩いていると、電動カートの案内板が出ていました。
右奥に見えるのは、電動カートの乗車券を買う窓口です。
ほとんどの人が乗るようなので、これは乗るべきという直感が働きました。
電動カートは、地図に描いた赤色の線のルートを通ります。
地形的に行きは緩やかな登りでしたので、体力温存のため乗ったのは正解だったと思っています。
料金は5元(約85円)でした。
満席になると出発のようです。
割とすぐに満席になり電動カートが出発しました。
最初は真っすぐの広い道を進みます。
途中からは曲がりくねった狭い道を通ります。
5分くらいの乗車時間で到着です。
先に見えるのが入口です。
ここまでバスを降りてから30分くらいかかっています。
連休など混む時期は、もっと時間がかかると思います。
ようやく入口です。
ここで入場券を機械に通して進みます。
見学開始
15:25、ようやく中に入ることができました。
奥に見えるのが一号坑です。
このような団体客もたくさん来ていました。
一号坑
まずは一号坑から見学開始です。
最初に、歴史の教科書やテレビ番組で見たことのあるあの光景が目の前に広がりました。
一号抗は、東西230m、南北62mの大きさを有し、陶製の俑や馬が約6,000体あります。
やはりこのスケールと、2,000年以上前に作られたものが現存しているということに感激しました。
【動画】兵馬俑(秦始皇帝陵博物院)一号坑
(※クリックすると再生します)
等身大の武士俑がぎっしり並んでいます。
右側の通路を進みます。
軍隊は多くの民族の混成部隊だったそうで、確かにどれ一つとっても表情・髪型・衣服に同じものはありませんでした。
できれば、もう少し近づいて見たかったです。
こちらは、修復中の俑です。
入口の奥にある出口から外に出て、三号坑に向かいます。
三号坑
16:05頃、三号抗に移動してきました。
一号抗から順路的に近い三号抗は、東西28.8m、南北24.57mと3つある抗のうち最小です。
内部は凹の形になっていました。
発掘された馬の状態は良いように思いましたが、武士俑は頭が無いものが多く、少し残念でした。
三号抗はさくっと見学終了です。二号抗へ向かいます。
二号抗
16:15頃、西側から二号抗に入ります。
姿形が残った俑や馬は、ほとんど見られませんでした。
二号抗の平面図です。
上(西)から入って、左回りに進み、この時は左下の辺りにいました。
二号抗内の他の場所も、一号抗のようなたくさんの武士俑が並んだ場所はありませんでした。
最初にあれだけのものを見てしまったので、少し残念に思いました。
発掘状況を説明するパネルです。
ここで発掘された物は、やはり状態が厳しかったようです。
坑内北側に、出土品の典型について説明された場所がありました。
まずこちらは、立射俑です。
軽装歩兵の1つで、この抗から172体見つかったそうです。
鞍馬騎兵俑です。
この二号抗から計116組見つかったそうです。
騎兵もさることながら、馬のリアリティが凄いです。
本物のように作られています。
青銅製の兵器も見つかっており、展示されています。
中級軍吏俑です。
跪射俑です。
跪 guì はひざまずくの意味です(日本語と同じ)。
重装歩兵の1つだそうですが、確かに大きい鎧を装着しています。
高級軍吏俑です。
俗称が将軍俑とのことです。
7体しか出土していないうちの1つで、貴重な俑です。
鎧の造りも他の下級俑に比べて良いと感じました。
二号抗の見学はこれで終了です。
16:45頃、入口の付近まで戻ってきました。
二号抗の隣に 陈列厅 というのがありましたが、そこはパスして兵馬俑の見学を終わりにしました。
この日の日中はかなり暖かく、16℃くらいありました。
3月上旬の西安にしては、珍しい暖かさだったと思います。
見学のまとめ
兵馬俑を見学して「とても良かった、やはり一度自分の目で見て良かった」という感想を持ちました。
一号抗の入口から入った所のあの光景は感動ものでした。
中には写真で見た通りの光景で感動は薄かったという人がいますが、兵馬俑発見の経緯を知ると少し違ってくると思います。
1974年、臨潼県の農民が井戸を掘ろうと土を掘っている時に、偶然兵馬俑の最初の破片が発見されたそうです。
発見直後は、まさかこれだけの規模の兵馬俑が地下に眠っていようとは想像できなかったと思います。
また、これだけの歴史的遺産でありながら、不運にも歴史のどこかで存在や場所が忘れ去られてしまい、永遠に誰も見ることができなかった可能性もあります。
それを偶然の発見によって見られるというのは、現代の人にとってとても価値のあることだと思います。
ぜひ一度足を運んでみることをおすすめします。
西安駅へ帰る
この後は、西安駅まで帰ります。
行きと同じ路線のバスに乗るため、バス乗り場まで向かいます。
一度書きたかったんですが、中国はこういう”ちょっとした段差”が多すぎです。
日本に居る時のように歩いていると、中国では確実に躓きます。
帰りはバス乗り場まで歩きました。
たくさんの飲食店やお土産屋を見ながら歩くのも悪くないという気持ちと、中国用のスマホとモバイルバッテリーの電池が切れたので、マクドナルドでも行って充電しようかなという考えでした。
無事にマクドナルドが見つかり、コーラ(10元)を買って店内を探し回りましたが、コンセントが無く短時間で退店しました。
17:00頃、バス乗り場の近くまで戻ってきました。
私の乗るバスはもっと奥の方ですが、タクシーの客引きの罠やお土産の押し売りの罠と戦わないといけないので、気を緩めることができません。
きっと観光客が安い乗り物に乗らないように、安い路線のバス乗り場を隅に追いやってるんだと思います。
游5(306)のバスに無事に乗ることができました。
運賃7元は改めて安いと思いました。
夕方で若干道が混んでいたものの、18:20頃に西安駅に到着しました。
兵馬俑に着いた時点で当初の予定より1時間30分遅れでしたが、西安駅に戻った時点では30分遅れまで挽回しました。
ただ西安駅前の城壁に登る予定はキャンセルしました。
この後、大雁塔方面へ向かいます。
【旅行記の続き】