2019年 中国高速鉄道3,927kmの旅 6日目 ~vol.4 高速鉄道で蘇州へ移動~
漢口駅へ入る
バス停から歩いて漢口駅の駅舎近くまでやってきました。
この洋風の建物に、中国ならどこでも飾られている赤提灯との組み合わせにも、だいぶ慣れてきました。
前日の夜に見た印象と少し違って、建物の重厚感を感じました。
この時14:40頃でしたが、早速駅舎へ入ります。
立派な造りの駅舎に、ただただ感心するばかりでした。
私が乗るのは、一番下の D3070 です。
約1時間後の発車となります。
その他の列車にも、特に遅れは出ていませんでした。
待合場所のある2階へ移動します。
平日の昼間でしたが、人がとても多かったです。
乗車概要(漢口→蘇州)
行程:漢口 15:50発 → 蘇州 20:48着
列車番号:D3070(漢口 → 上海虹橋)
座席:一等座 07車 04A号
料金:295元
購入方法:中国鉄路12306アプリで予約(2月13日)→ 駅窓口で受取(3月7日)
駅名 | 到着 | 出発 | 停留 | 距離 |
---|---|---|---|---|
漢口 | --- | 15:50 | --- | --- |
六安 | 17:09 | 17:21 | 12分 | 272km |
合肥南 | 17:49 | 18:11 | 22分 | 359km |
南京南 | 19:03 | 19:12 | 9分 | 516km |
鎮江 | 19:40 | 19:42 | 2分 | 592km |
常州 | 20:07 | 20:09 | 2分 | 664km |
無錫 | 20:25 | 20:28 | 3分 | 703km |
無錫新区 | 20:35 | 20:36 | 1分 | 714km |
蘇州 | 20:48 | 20:50 | 2分 | 745km |
待合→乗車までのこと
私が乗る D3070 上海虹橋行き の前に、いくつか同じ行先の列車がありました。
列車変更すれば時間を節約できるように思えますが、意外とそうはいかないのです。
どういうことかというと…
列車 | 料金(一等座) | 所要時間 | 始発駅か | その他 |
---|---|---|---|---|
D2218 | 453元 | 4時間36分 | × | -- |
D3092 | 424.5元 | 4時間45分 | 〇 | 到着が蘇州北駅 |
D3074 | 446元 | 4時間57分 | × | -- |
D3070 | 295元 | 4時間58分 | 〇 | -- |
この日のホテルを蘇州駅近くで取っていたので、蘇州駅から離れた蘇州北駅に着く D3092 は都合が悪く、D2218 や D3074 は漢口駅が始発駅でないため荷物置き場が空いていない可能性があります。
あと、私が乗る D3070 は料金が安い列車なので、このまま待って D3070 に乗車するのがベストというわけです。
料金が安い理由は不明ですが、一番所要時間がかかるのが理由かもしれません。
ただ、遅延すれば一緒ですし、元々の所要時間自体そこまで差が大きくないので、このような列車選択となりました。
いかにも中国の鉄道駅という感じです。
休日は一体どれだけ混むのでしょうか?
【動画】漢口駅 待合スペース
(※クリックすると再生します)
椅子が空いていなかったため、自分の乗る列車の改札口付近をウロウロしていました。
実際は、荷物を椅子に置く人が多いせいで座れなかっただけですが。
15:20、まだ一本前の列車の改札中ですが、この人の多さを考慮して改札口に並ぶことにしました。
先頭付近の位置を確保できました。
15:25、発車の25分前です。
始発駅につき、あと5分くらいすれば改札が開始しそうな気配です。
後ろに長い改札の列ができており、黄鶴楼の後で無理して東湖に行かなくて良かったと思いました。
すると、横から団体客が改札口にやってきて女性の係員と話を始めました。
この眼鏡をかけた女性の係員は、私と同じように並んでいた乗客に対して「その線より前に出るな!」と注意するようなかなり高圧的な態度の係員でした。
そのため、私はこの団体客が早々に追い返されると思ったら、何と改札口を通し始めたではないですか!
前から並んでいた私を含めた一般客は、まだ改札が始まっていないのにです。
この国は分からないことが多いです。
15:30になり、一般客も改札が始まりました。
先に団体客が改札口を通過したので、少し急いでホームに降りました。
私はほぼ先頭だったのに、団体客がもうホームに降りていて、列車に乗り込み始めていました。
乗車する7号車を見つけ、写真を撮りました。
和諧号でした。
今回の車両は、中国鉄路上海局集団所属のCRH2A型でした。
見た目だけで言えば、まるで東海道新幹線に乗るような雰囲気です。
早めに自分の座席に辿り着き、荷物を置いて乗車態勢を整えます。
5時間近い乗車時間になるため、一等座での移動にしました。
そういえば、7号車が一等車になっているのは経験上珍しく、大抵一等車は先頭の1号車か最後尾の8号車です。
連結(8両×2)の場合は、9号車や16号車のケースも多いです。
【動画】D3070(漢口 → 上海虹橋)漢口駅を出発
(※クリックすると再生します)
注文していた弁当の件
漢口駅を出発した列車(D3070)は、寧蓉線寧渝段を東へ進み、途中駅も定刻通りに過ぎていきました。
途中で一つ勉強したことは、六安駅でのアナウンスで「六安」が Liù'ān に聞こえなかったので、調べてみたら Lù'ān となっていました。
一週間近く中国にいると、簡単な発音は分かるようになってきました。
ただ、その発音と単語が結びつかないので、結局は何を言っているのか分からないことばかりです。
旅行前にアプリで弁当を発注
話は変わりますが、この区間の乗車時間帯が夕食の時間と重なるため、旅行前(2月14日)に弁当を注文していました。
切符の予約をした「中国鉄路12306」のアプリで、「餐饮・特产」から注文手続きをしました。
何が美味しいのか全く分かりませんでしたが「まぁ配送料もタダだし、15元(約255円)だったら失敗してもいいか」と思い、鱼香肉丝套餐 を注文することにしました。
配送時間は 18:00-19:00 を選択しました。
これは、途中駅で弁当を積み込んで乗客に提供する仕組みが関係しているんですが、合肥南駅(停車17:49-18:11)や南京南駅(停車19:03-19:12)は弁当業者が弁当を積み込める駅らしく、18:00-19:00 や 19:00-20:00の時間指定ができました。
支付宝で決済すると、何と5割引きの記載がありました。
春節に合わせた時期(1月21日~2月19日)にキャンペーンが行われていましたが、予約した日がキャンペーン期間中であればOKでした。
支付宝で決済し、7.5元(約128円)となりました。
ちなみに、この弁当の発注については、支付宝に紐付けした中国の銀行口座からでしか支払いできませんでした。
(切符は支付宝に紐付けしたクレジットカードから支払可)
また、乗車前にキャンセル( 退单 )することもできます。
合肥南駅で停車中に弁当を受け取る
これが注文した弁当( 鱼香肉丝套餐 )ですが、乗務員が座席まで弁当を持ってきてくれるのでありがたいです。
当日の16:00に作られた弁当で、内容量は480gと書かれていました。
容器を持つと温かく、レンジで温めて出してくれたようです。
鱼香肉丝 は魚という字が入りますが、魚料理ではありません。
「細切り肉炒め」といったところだと思います。
ご飯が下に敷いてあり、セット( 套餐 )の意味が分かりました。
正直列車で提供される弁当に期待していませんでしたが、温かい上に味がとても良かったので感激しました。
量(480g)もしっかり入っていて、お腹を十分に満たすことができました。
次の機会もぜひ注文したいです。
食事の間も列車は順調に走行し、気が付けば南京南駅まで来ていました。
南京南駅を過ぎると滬寧城際線に入り、鎮江・常州・無錫などを通過して蘇州へ向かいます。
蘇州駅に到着
定刻より2~3分遅れて、20:50頃に蘇州駅( 苏州站 )に到着しました。
ホームは電気がついているものの、薄暗かったです。
エスカレーターを下りて出口に向かいます。
改札口から出ると、宿泊するホテルのある駅の北広場の方へ進みます。
看板は明るいですが、電灯が少ないので、人通りが多い場所にも関わらず暗かったです。
1年半ぶり2回目の蘇州だったんですが、夜に駅を利用したのは初めてでした。
夜の蘇州駅の駅舎もいい感じです。
振り返って後ろ(北方向)に見える右側の建物が、この日に宿泊するホテルです。
早速チェックインしに行きます。
宿泊したホテルについて
ホテル名:维也纳国际酒店(苏州火车站北广场店)
部屋の種類:クイーンルーム(窓なし)
食事:なし
料金:5,215円 ※前払い(クレジットカード)
購入方法:Trip.comで予約(2018年12月8日)
この蘇州での宿泊は、蘇州駅に近い場所(徒歩圏内)を最優先にホテルを探しました。
何とか5,000円くらいで宿泊できるホテルが見つかりました。
道路( 苏站路 )を渡って、ホテルの前までやってきました。
ところが、入口が見当たりません。
どうやら建物の裏側に入り口があるようです。
やはり入口は建物の反対側(西和合街側)でした。
中に入ります。
2018年に開業した新しいホテルなので、とてもきれいでした。
前に一組いたのでチェックインの順番が来るまで少し手前で待っていましたが、フロントの壁に飾られている絵が中世のヨーロッパ感を出そうとし過ぎに思えました。
未確認ですが、きっとこのホテルは外資ではなく、中国資本じゃないかと思います。
21:15頃にチェックインを終え、エレベーターに乗って部屋へ向かいます。
雰囲気は豪華な感じでした。
部屋に入るとすぐ、完全に裏をかかれたと思いました。
きっとフロントの絵と同じように中世ヨーロッパ風の絵が描かれているんだろうなと思いましたが、まさかの南国の海の絵でした。
3月の蘇州で南国感は要らないです。
また、夜の到着で翌朝にはすぐにチェックアウトするので、窓なしの部屋を取ってみましたが、結構圧迫感があるなと思いました。
この日の部屋もシャワールームがガラス張りになっていて、中が見える造りでした。
良さがよく分かりませんが、この部屋の場合はシャワールームにカーテンがついていました。
列車内で弁当を食べましたが、小腹が空いたので、軽く食事しに行くことにしました。
2回目の夕食
そもそも列車内で弁当を食べることにしたのは、蘇州駅周辺の飲食店が早く閉まるので、夕食が食べれなくなることを避けるためでした。
大衆点評で調べても21:00くらいで閉まる店が多い中で、ようやく 黄焖鸡米饭 という営業中の店を見つけました。
幸いホテルから500mほどの場所で、徒歩で行ける店のようでした。
店はすぐに見つかりましたが、まだ21:30なのに閉店していました。
老板の気分次第ということでしょうか。
もうこうなったら、近くの開いている店に入るしかありません。
結局、奥の黄色の店ではなく、手前の店に入ることにしました。
大衆点評にも載っていない店でした。
メニューは案外豊富で、迷ってしまうくらいの種類がありました。
ここはあまりチャレンジしない方がいいと思い、安全に 青椒肉丝饭 にしました。
18元(約306円)と庶民価格でした。
店内に誰もいないというのは、料理の味に対してちょっと心配になってしまいます。
2~3分で注文した 青椒肉丝饭 が出てきました。
味はまずまずで、日本の青椒肉絲には無いようなピリ辛の味付けで良かったです。
店を選んでいる時はドキドキでしたが、この店に入って良かったと思いました。
ホテルの部屋に帰っても落ち着かないので、コーヒーでも飲んで帰ることにしました。
蘇州駅のケンタッキー( 肯德基 )へ向かいます。
蘇州駅のケンタッキーへ
ケンタッキーへやってきました。
蘇州でもくまモンは人気があるのでしょうか。
熊本県の幸福部長だそうです。
店内に入りました。
カウンターの右の方で注文している人がいましたが、スマホのアプリでセルフオーダーできるようだったので、やってみることにしました。
まず空いている席に座ることになりますが、注文して出来上がるまで自席で座っていられる点が素晴らしいです。
コーヒーとフライドポテトを注文することにしました。
操作は簡単で、合計で16.5元(約280円)とのことでした。
これで注文完了です。
呼出番号は4914でした。
待つこと2分弱で私の番号が呼ばれ、注文した商品を受け取ることができました。
旅行最後の夜
この後、40分ほど店内で過ごしましたが、この時初めて「明日の今頃は、もう日本に帰っているんだ」と旅行の終わりを意識しました。
蘇州からだったら、一度来たこともあるので、多少のトラブルがあっても帰る自信があります。
これまで約1週間で内陸部を中心に色んな都市を回ってきましたが、初めての土地ばかりだったのによく計画通りにひとりで旅行できたなと思いました。
列車に乗り遅れたり、ホテルで予約通りに受け付けてもらえなかったり、荷物を盗まれたりといったトラブルもあり得たことを考えると、急にちょっと怖くなりました。
全てはスマホのおかげです。
これが無かったら、今回のような旅行はできませんでした。
写真をたくさん撮ることができたのもスマホのおかげで、写真は旅行の貴重な財産となりました。
旅行最終日の次の日も、できるだけ写真を多く撮って持ち帰りたいと思いました。
22:55頃にホテルに戻ってきました。
落ち着かない部屋に戻らないといけないと思うと、気分が少し下がってしまいます。
部屋へ向かうエレベーターの中で、地下フロアの行き先ボタンが、マイナス表記であることに気付きました。
違和感あり過ぎです。「B1」「B2」って書いてほしいです。
中国にはだいぶ慣れたと思っていたのに、やっぱりこの国は変わっていると思わずにはいられませんでした。
【旅行記の続き】